10月5−7日にパリで開催されたEU Algae Awareness Summitにて、「Seaweed industry, examples in Japan」の題で発表しました。

10月5−7日にパリで開催されたEU Algae Awareness Summitにて、「Seaweed industry, examples in Japan」の題で発表しました。

EUにおいては、海藻類の資源保護や養殖生産から利活用までの産業振興を図るべく、この度、「Algae Summit」が発足しました。今回はその第1回の記念大会となりました。会の設立経緯や今後の方針についての発表に続いて、世界各国の藻類産業に関する紹介がなされました。日本は古くから海藻類を利用してきた歴史を有することもあり、光栄なことに講演順は一番最初となりました。8分間の講演、その後15分間の質疑応答という短い時間でしたが、日本における海藻の利活用の歴史、南北に長い日本における海藻の種類の多様性と環境に適応した養殖技術や食文化、養殖産業における漁業者の皆さんの経験則(暗黙知)の蓄積による技術開発などを紹介しました。韓国や中国に比べると日本の養殖産業は小規模ですが、小規模であるがゆえの工夫が多くあります。EU諸国においても、今後海藻養殖や加工を進めるにあたり、最初は小規模のスタートとなることも多いでしょう。日本のこれまでの知見は役に立つはずですし、そうした日本の技術を今後はより一層海外にむけて発信しなければという思いを新たにしました。

6、7日はすでに藻類関係で事業を開始している欧州企業によるプレゼンや企業展示が行われました。日本では海藻類は食利用がほとんどですが、欧州では、食・バイオプラスチックなどの原料・肥料・餌料について同じくらいの関心で研究や事業が進んでいる印象を受けました。また、海藻類によるブルーカーボン効果への期待の高さも実感しました。(YS)